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武内公平さん

武内公平

7月某日。約束の場所へ行くと、軽トラックからスコップを下ろしながら電話をしている武内さんの姿があった。照りつける強い日差しに目を細めながら、忠別川沿いに東西に広がる一面の水田を眺めている。北海道とはいえ、夏は暑い。「暑いですね」と声をかけると「本当ですね」と笑顔を見せた。

大学卒業後、営業の仕事で神戸、広島と転任。いつからか「農業をしたい」と考えるようになったのだという。農業生産法人へ就職すれば、農家出身でなくとも農業を仕事にすることができる。企業の合同説明会などへも積極的に参加した。

最初から北海道と決めていたわけではなかったが、新婚旅行で訪れた北海道の風土はやはり魅力的だった。「どうせなら思い切って」という気持ちで2013年に旭川市へ夫婦で移住。その後、2015年に知人の紹介で株式会社丸巳に入社し、現在に至る。

丸巳では通年で椎茸の菌床栽培を行っている。武内さんが入社したのは冬だったので、この椎茸の作業から始まった。春になり、本格的な作業に入ると規模の大きさを痛感することになる。

以前勤めていたところはハウス栽培が中心だったので、ハウス内の作業が多かった。ここに来てからは外の作業が多く、作業する面積がとてつもなく広いので、収穫をして、収穫したものを回収するという単純な作業でも効率よくやらないと全然終わらない。最初は作業についていくだけで苦労しました。

それでも徐々に仕事に慣れ、昨年からは水稲の管理も任されるようになった。米作りは苗づくりから。タネを蒔いた瞬間から子育てならぬ「米育て」が始まる。日々変化する天候と苗の状態に合わせて与える水の量や温度などに気を配りながら、豊かに育つ丈夫な苗を大量に育てなければならない。その年の収穫に大きく影響する作業だけに失敗は許されない。日々緊張感に堪えながら作物と向き合っているのだ。「ストレスもたまるでしょうね」と言うと、それまでの柔和な印象が少し変化したような気がした。

うまくやればいい結果につながる。当たり前のことだけど、人が携わることでおいしい作物ができるという事にやりがいを感じています。」

本人曰く、農業に携わる上で大切なことはやはり基本的なこと。

「安全第一」と「健康管理」

先輩にもそう言われているし、自分でもつくづく感じています。忙しくなると慌てることもある。でもそういう時こそ一度立ち止まって、作業に危険がないか確認するようにしています。体力的にはキツいこともありますね。体が一番の資本です。」

いくら土いじりが好きでも、ただ作業をするだけだったらモチベーションは保てないと思います。私の場合は、自分が携わった商品がスーパーに並んでいるのを見るとやる気が沸いてきます。うちの野菜は広く流通しているので暮らしの中で普通に目にする機会があります。それが嬉しいです。皆さんの食卓においしい作物を届けようという気持ちでがんばっています。」

趣味は?と聞くと少し考えた末に「家庭菜園」だというから徹底している。

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